711
No556 アウェイ・フロム・ハー 君を想う 2009 133 サラ・ポーリーの才能に涙。
【アウェイ・フロム・ハー 君を想う】の感想etc (2006) Review 初老の夫妻,グラントとフィオーネに肉体との別れの前に,訪れた妻のアルツハイマーによる早すぎる心との別れ。別れの形は,人それぞれですよね。
アルツハイマーは,現在の医療では,進行を遅れさせることは,出来ても根治までは難しい不治の病。末期になると下の世話を含めて家族の苦労は想像を絶する辛苦がのしかかって来るのだが。
そこまでは描かないのが,映画の世界。【
きみに読む物語 】は,題材は同じく認知症の妻と夫との… それでも不変の愛。ただどちらかと言えば,若き日の軌跡を中心の描写でしたね。本作でも過去のグラントとフィオーネの姿は映し出されてますが,イメージ程度に留められていて回想は,言葉として語られるだけなので,現実感があります。
グラントは,元大学教授で声も渋く,幾多の夜を代わる代わる相手を変えたプレイボーイ遍歴の持ち主なのも頷ける。話す内容も賢いし気質が違う。誰にでも惹かれる魅力が仇をなし罪を重ねたのを,いつまでも隣に居るはずのフィオーネの心が,認知症で遠ざかるに連れて増していく罪悪。一方のフィオーネは,新しい記憶から失われるのが認知症の症状なのに44年間連れ添ったグラントが,忘却の彼方に…
これは切ないですね。
それでも,挫けず通い続けるグラントには,長年苦楽を共にした妻へのある種の直感が,あったんだろう。ラストは,また自分の道を新しく進む事を決意するグラントは,フィオーネに最後の挨拶を告げようとする。
ここからのフィオーネの言葉に泣ける。グラントにしてみれば歓喜とも戸惑いとも判断がつきにくいんだろうが,嬉しいはず。
エンディングの挿入歌も素晴らしく余韻に浸れる。
これから先の道のりで誰に出会い,何をもたらし,何を受け取るんだろう。
サラ・ポーリーの次回作に早くも期待してしまいます。
私的評価marvelous STORY フィオーナとグラントは結婚して44年。かつて大学教授時代には教え子との浮気でフィオーナを苦しめたグラントだったが、結局は妻のもとに帰り、今は仲睦まじく湖畔の家で暮らしていた。ところが、フィオーナにアルツハイマー型認知症の症状が現れ始め、彼女は自ら介護施設への入所を決める。面会に訪れたグラントはフィオーナが自分を認識できず、車椅子の男性オーブリーと親密に過ごす姿を目の当たりにする。
CAST サラ・ポーリー 監督・脚本
ジュリー・クリスティ・・・・・フィオーナ・アンダーソン
ゴードン・ピンセント・・・・・グラント・アンダーソン
オリンピア・デュカキス・・・・・マリアン
マイケル・マーフィ・・・・・・オーブリー
クリステン・トムソン・・・・・クリスティ
ウェンディ・クルーソン・・・・・モンペリエ
アルバータ・ワトソン・・・・・フィーッシャー医師
原題 AWAY FROM HER 上映時間 110分
INDEXメニューINDEXは、こちら
関連記事
スポンサーサイト
Date : 2009-08-28 (Fri)
Category : 映画 ドラマ