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第80回アカデミー作品賞 ノーカントリー 2008 120
ノーカントリー (2007) Review てっきり構図が,ハビエル・パルデム演じる暗殺者のアントン・シガーをトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官エドが,終わり無く追跡していく【逃亡者】みたいなスタイルかと思ってましたが…
実は棚ぼたで大金を手にした男ルウェリン・モス(ジュシュ・ブローリン)を,不気味に追いつめるアントン・シガーとの対決が,メインでした。ベテラン保安官エドは,人生経験やら,生き残る心構え,腐敗しきったアメリカなんかを悟ってるようで,ストーリーに絡むよりも,こちら側に訴えかけているように感じました。
大抵の作品にユーモアを交える,コーエン監督ですが,【ノーカントリー】ではBGMすらないシリアスな作品に仕上げてきました。そんな中でハビエル・パルデムの暗殺者のイメージとは,程遠いと思えるオカッパ頭が,アントン・シガーの異様なムードをクローズアップする他にコーエン監督からの変化球のユーモアなのかとも思いました。
とにかくアントン・シガーに,立ちはだかる人物が,続々と死にまくります。死に神を連想させる連続殺傷は,弱肉強食そのものです。
謎なのは,サイレンサー付きのショットガンを持ちながら,わざわざボンベ片手にエアガンも使用してる点。畜肉業者が現在は,事故防止の為にエアガンでボルトを発射して処理しているとトミー・リー・ジョーンズが,説明してくれますが,アントン・シガーの異常性が深まるとはいえ,錠前壊すのに怪我すると考えてのボンベ携帯ならば邪魔以外の何物でもないっしょ(; ̄ー ̄)...ン?
荒野のガンマンのようなモスが,大方の予想を裏切る奮闘ぶりで頭が下がります。水を持って現場に舞い戻ったミスを除けば,冷静沈着で頭脳的でもあり対決に,まさかの要素を与えてくれました。
こんなバイオレンス映画にテーマを与えるのは,難しいところでしょうが,匙加減と含みをもたらしたのが,この作品でのコーエン監督の語りべトミー・リー・ジョーンズなのでしょう。一瞬ストーリーから遠い所に居るんで置物かと勘違いしてしまいましたが,彼がモスの妻を励ましたり,自分の妻に夢の世界とかを語ってないとバイオレンス一色で終わりだったはず。一貫して訴えてたのは,
善悪問わず,いつ・何処で・誰が・どう・運命に翻弄されるかは誰にも分からないってことでしょう。死体と化しているメキシコ人や,アントン・シガーによって突然に命を奪われる人々,ラストのアントン・シガーなんかは,トドメを見せてくれますね((((ロ゚ ;))) あの怪我では,いくらなんでも自力ではキツいかな(´ ▽`)
私的評価very good お帰りは,こちらから(-` )ノ 全て別窓にしましたのでヨロシク☆ 映画ブログランキング<(_ _)> ☆映画・洋画 部門に登録中です☆ STORY メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モスは、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモスに、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを確実に追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベルが追跡を始めるのだった。
CAST ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン 監督
コーマック・マッカーシー 原作
トミー・リー・ジョーンズ (エド・トム・ベル保安官)
ハビエル・バルデム (アントン・シガー)
ジョシュ・ブローリン (ルウェリン・モス)
ウディ・ハレルソン (カーソン・ウェルズ)
ケリー・マクドナルド (カーラ・ジーン)
ギャレット・ディラハント (ウェンデル)
テス・ハーパー (ロレッタ・ベル)
バリー・コービン (エリス)
原題 NO COUNTRY FOR OLD MEN 上映時間 122分
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Date : 2008-08-15 (Fri)
Category : 映画 サスペンス