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第80回アカデミー外国語映画賞,受賞作 ヒトラーの贋札 2008 116
ヒトラーの贋札 (2007) Review 同じく第二次世界大戦の敗戦国として,ドイツには,親近感がありますが,過去の罪が,いつ赦されるのかという疑問も,両国民ともに感じるのでは無いでしょうか?
ユダヤ人迫害の舞台は,アウシュビッツ収容所での惨劇が有名です。この映画では,同時期に別の収容所で戦況劣勢に加えて国が破産状態のドイツが外貨獲得と敵国の経済混乱を狙う切り札として大量贋札偽造ベルンハルト作戦が,秘密裏に展開されるのですが…
収容所に連行されるまでは,最高の贋札師として名を知らしめたソロヴィッチと,印刷技術者で【ヒトラーの贋札】の原作者ブルガーのスタンスの違いに考えさせされます。
ソロヴィッチは,正義漢には外見的にも収容前の生活を見てても思えないのですが,仲間と自らの命を繋ぐ為にプライドをかなぐり捨て贋札を作り続け,どんなに苦難であろうと明日を生きようと努力する。死んだら負けの姿勢。
対するブルガーは,自分達の命よりもヒトラーを筆頭とするナチスドイツが,息を吹き返すような作戦には,協力など出来ないとクラスメートに1人は,居そうな熱血正義漢で,もちろん浮いた存在。
迫り来る死にもあくまで頑ななブルガーには,少数派の味方をしたい僕も苛立ちを覚えました。
普通なら,真っ向から対決姿勢を取りそうな物ですが,それでもブルガーを仲間と定義づけるソロヴィッチは,忍耐強いです。リーダーとは彼のような信念を持ち合わせなくてはならないのでしょう。
ドイツ軍人のユダヤ人に対する扱いは,家畜以下で,鬼畜で非道。実話なので重くのしかかりますが,映画自体の表現は,残酷なディテールを多少は控えめにしたのか,命の重みは伝わりますけど,観てられない程でもなくラストは,希望も伺える内容でした。
ただ【ショーシャンクの空に】や【ブラックブック】【善き人の為のソナタ】に比べると驚きや心に響く度合いが,少なかったかも知れないですが,平和が当たり前の昨今において戦争時の一側面を感じ取るには良い映画でしょう!
私的評価Good お帰りは,こちらから(-` )ノ 全て別窓にしましたのでヨロシク★映画ブログランキング<(_ _)> ☆映画・洋画 部門に登録中です☆ STORY 第二次世界大戦中のドイツ。ユダヤ人強制収容所の一画に、各地から集められた職人たちが働く秘密工場があった。パスポートや紙幣の偽造で逮捕されたサリーは、そこでかつて自分を逮捕したヘルツォークが、大量の贋ポンド紙幣をばら撒き、イギリス経済を混乱させる目的の「ベルンハイト作戦」の指揮を執っていることを知る。作戦が成功すれば家族や同胞への裏切りになる。しかし完成できなければ、死が彼らを待っているのだった…。
CAST ステファン・ルツォヴィツキー 監督・脚本
アドルフ・ブルガー 原作
カール・マルコヴィクス (サロモン・ソロヴィッチ)
アウグスト・ディール (アドルフ・ブルガー)
デーヴィト・シュトリーゾフ (フリードリヒ・ヘルツォーク )
マリー・ボイマー (アグライア)
原題 DIE FALSCHER 上映時間 96分
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Date : 2008-08-10 (Sun)
Category : 映画 ドラマ