STORY ロサンジェルスの街の大通りに、古びたヴァンが停まっている。そのヴァンは改造され、天井から監視カメラが街並みを覗いている。監視用機材が所狭しと置かれた車内、短くなったタバコをふかしながら、男がモニターを覗いている。荒んだ街の様子を映し出している画面を見ながら、男は呟く。「あの攻撃からまだ2年と1日、警戒レベルは依然高いが、人々の危機意識は後退している」。男の名はポール(ジョン・ディール)。ヴェトナム戦争で負傷した後遺症に長年苦しめられ、誇り高き自由の地アメリカを一人で守ろうと、必死に警備を続けている。さらに、9.11に起こった事件が彼のトラウマを呼び起こす。一方、イスラエルのテルアビブ空港を出発した飛行機には、少女が乗っている。ロサンジェルス到着のアナウンスを聞きながら彼女は呟く。「神様、長い間遠く離れていた私を、生まれ故郷に連れ戻してくださってありがとう」。少女の名はラナ(ミシェル・ウィリアムズ)。アフリカとイスラエルで10年間過ごし、故郷アメリカへと帰ってきた。