ベルリン銀熊賞受賞作 ハイロー・カントリー ２００８ ０９１

ハイロー・カントリー

Review
恋愛と友情を天秤にかけなければならない時に，どちらを選択するかは難しいですが，やはり先手必勝は否めないように思ってしまいます。現実問題，月９ドラマの様に本当は，お互いに惹かれあってるんだけど，行動に移すのが遅れて，事情を知らない親友と付き合う事になった意中の女性に一度は諦めながらも，チクリチクリと針を打ち込み友情をぶち壊してまで奪い返して成就するような展開は，モラル的にも厳しいし，友人の彼女に手を出さないのは暗黙の了解に思われますが，この【ハイロー・カントリー】では，カウボーイ達の強い友情と間で揺れ動く抑え切れないタブーを五角関係で描いてますが，サイドストーリー的に挿入される事件を含めて因果関係が薄いし心の葛藤も足りない感じはしますね。

そもそも，モナ（パトリシア・アークエット）の描写が薄いです。前半の姿ではただの魔性の女で，それほど世間知らずに見えない，ピートとビックボーイが，あそこまでのめり込んでしまうようには見えないし，ましてビートには，ジョセファ（ペネロペ・クルス）という彼女も存在してるのに…
ただジョセファは，ペネロペ史上，最も地味で子供っぽく意識的に魅力を削がれてますね。何度となく試される様な会話に持っていかれるのもピートには辛かったのかも？パトリシア・アークエットは，【トゥルー・ロマンス】のアラマダ役が強烈にインパクトと魅力に溢れてたので今作では，並の尻軽女に甘んじてしまったような。声はペネロペ・クルスよりも魅力的。

ウエスタン調にしては，銃の出番は少ないですが，ここ一番では発揮しますね。法整備は，進んでるようですが，切り捨て御免も赦されてるようです。しかしバイオレンスでは無く良く出来たドラマでした。意味深なオープニングが，エンディング手前の重要シーンに華を添えましたね。

秘密を知りつつも自分の胸で収める。これが出来る男は，真の男なのかも。

ちなみに，モノクロでは，ありません！

私的評価
Good

お帰りは，こちらから(-` )ノ

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STORY
ニューメキシコの広大な平野ハイロー・カントリー。孤児のピート(ビリー・クラダップ)はカウボーイとしてひとり牧場を取り仕切る日々のなか、カウボーイのビッグ・ボーイ(ウディ・ハレルソン)とその弟リトル・ボーイ(コール・ハウザー)と出会い、家族のように親交を深めた。だが、おりから第に二世界大戦が勃発、彼らは従軍し、別々の戦場で戦った。戦後間もなくピートは復員するが、知らぬ間にハイロー・カントリーは成り上がり者のジム・エド(サム・エリオット)に土地が買い占められ情勢は一変していた。リトル・ボーイも今はジム・エドの配下だった。そんななか酒場で彼は魅惑的な人妻モナ(パトリシア・アークエット)に出会う。彼女はジム・エドの手下レスの妻だった。ジョセファ(ペネロペ・クルス)という恋人がいながら彼女に激しく恋するピート。やがて親友のビッグ・ボーイと再会したピートだが、なんと彼はモナと深い仲になっていた。
CAST
スティーヴン・フリアーズ　監督

マックス・エヴァンス　原作

ウォロン・グリーン　脚本

ビリー・クラダップ （ピート）
ウディ・ハレルソン （ビック・ボーイ）
サム・エリオット （ジム・エド）
ペネロペ・クルス （ジョセファ）
パトリシア・アークエット （モナ）
コール・ハウザー （リトル・ボーイ）

原題　THE HI-LO COUNTRY　上映時間　１１４分
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