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マイノリティーの生き様 ガタカ 2008 075
ガタカ Review イーサン・ホークとユマ・サーマン元夫婦共演作です。ここだけで切ないんですが,作品自体もアクションに頼らない心情重視の上質なSFサスペンスです。
遺伝子による生み分け技術で,両親の選りすぐりの遺伝子と更に付加価値を備えた選ばれた人間を生産するのが,ごく普通の近未来において,極少数派の自然交配で生を受け,生まれ落ちた瞬間に心臓に欠陥を持ち30年の寿命と判定されるヴィンセント(イーサン・ホーク)が,自然交配に懲りた両親が,遺伝子交配で生み分けた体格・頭脳共にエリートの弟との,ギャップに苦しみながらも,遺伝子を超えた何かで打ち破り運命を切り開く姿が,ほろ苦くやるせないんです。ヴィンセントのライバルは,弟1人だけではなく世界中の大半の人間で社会が求める判断基準は,学歴やセンスなんかではなくDNAが全て。30年しか寿命が無いのに腐らずに遺伝子エリートでも難関の宇宙飛行士を目指すとは…
どうせ早死にならば,遊んで暮らそうなど小市民的な事を考え無いのが良いですね~
それでも,宇宙事業を営むガタカ社に入社する為には,遺伝子エリートの中でも最強レベルの身分と証明できる血液や尿などのサンプルが必要なわけで。意中のユージーン(ジュード・ロウ)と契約を交わすのですが,このようなヤドカリ人生は,サイコじゃない【テイキング・ライブス】と言った具合でしょうか。
ジュード・ロウは,車椅子に乗った姿ながらも存在感抜群でした。良家のボンボンみたいな役柄も似合います。足が全く動かないのに,手だけで階段をずり上がるシーンはリアルでした。
ユマ・サーマンは,地味だったような?イーサンに惹かれるのは自然でしたね。当時夫婦だったからか。事を済ませた後にイーサンが,海岸で素っ裸で体を洗うシーンに泣けます。親の理念の為に悲運としか言いようが無いんですが,生み分けされたらヴィンセントが,存在してない可能性もあるし仕方ないのかも
全体に説得力がある設定ですが,腑に落ちない点も色々あります。
①近未来で認証に人間の体を傷つける血液検査や,わざわざ手間暇かけて尿検査なんかは,やらないと思うよ。
②犯罪の確たる証拠が浮かび上がらないとはいっても刑事を殴り倒しては,言い訳出来そうも無いし公務執行妨害か、傷害で捕まるんじゃないですか?
ラストの一勝負も出来過ぎ感も,弟を乗り越える事が,ヴィンセントにとっての次のステップに移行する引き金となってるようで,逃げない姿勢に強さを感じます。
エリート社会において落伍者のヴィンセントの絶体絶命を救う医者には,冷たい金属を連想する未来社会でも人間らしい暖かさは忘れられないようで救われましたね。
アクションも,異星人も宇宙空間すら見せない珍しいSFでした(*^-^)b
私的評価Good STORY 近未来。遺伝子工学の進歩で胎児の間に劣性遺伝子を排除することが出来るようになった。自然の形で生まれたヴィンセント・フリーマン(イーサン・ホーク)は、心臓が弱く30歳までしか生きられないと宣告されていた。遺伝子排除されて生まれた弟アントン(ローレン・ディーン)と比べ、自分を遺伝子的に劣った「不適正者」であると思っていたヴィンセントだが、遠泳でアントンに勝った彼は家を出る決心をする。宇宙飛行士になるため、宇宙開発を手掛ける企業・ガタカ社の就職試験を受けたヴィンセントは、「不適正者」のため、DNAブローカーにジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)を紹介してもらう。
CAST アンドリュー・ニコル 監督・脚本
イーサン・ホーク (ヴィンセント)
ユマ・サーマン (アイリーン)
アラン・アーキン (ヒューゴ)
ジュード・ロウ (ジェローム・ユージーン・モロー)
ローレン・ディーン (アントン)
原題 GATTACA 上映時間 106分
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Date : 2008-05-13 (Tue)
Category : 映画 SF