６２粒の悪魔 そして、ひと粒のひかり ２００８ ０７１

そして、ひと粒のひかり

Review
コロンビアという貧しいお国柄からか，１７歳にして生活に疲れ果てる少女が，心も貧しい家族に疑問を抱き自分自身と生まれて来る子供の為に善悪の判断や危険性を承知の上で，大金を稼ぐ為に麻薬の運び屋になるのですが…

その運搬方法が過酷そのものです。葡萄の巨峰よりも，やや大きいサイズのゴムに包まれたドラッグを６２粒も胃の中に蓄えて税関を突破するのですが，その際に胃袋で麻薬の包みが破けたらば，ドラッグ中毒で確実な死が待ち構えてますし，その前にコロンビアの経済情勢を理解している税関は，最初からコロンビア人をマークしてるので何人かの逮捕という犠牲が無くては突破も難しいのです。逮捕された場合は，当然厳罰で人生終了。なんとも，世知辛いです，こんな危険な裏の仕事が，一般人にも，ほんの少し道を外しただけで，簡単に掴む事が出来るのは，恐ろしい状況です。もっとも麻薬組織の元締めも強制的に彼女達に押し付けてるわけでも無くあくまで納得した上の契約で有る以上，仕方が無いとは思います。それでも底辺からの脱出に，自身の全てを賭ける姿には，他に解決策は無いものかと考えさせられます。彼女は，コロンビア以外の世界が見たかっただけかも知れません。

家族や親友さえも，金によって腐ってしまう中で本質が変わらない彼女は異質です。コロンビアの壁をクリアし卒業してしまった。だからこそ，自由の国で今度は綺麗な勝負に挑む資格を得たのでしょうか。

６２粒の悪魔と解消し，元いた世界から，きびすを返す彼女の行く道は，困難に満ちても，光は確認出来そうです。

行為が，全て許されるかどうかは，また別の話しだとは思いますけどね。

私的評価
Good

お帰りは，こちらから(-` )ノ

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STORY
コロンビアの緑あふれる丘の狭間にある小さな田舎町。17歳のマリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は今にも崩れそうな狭い家に家族5人で住み、一家の家計の肩代わりをしなければいけない状況に家族との衝突が絶えなかった。外の世界に全く興味を示さない恋人、ホアンのおしとやかなガールフレンドを演じるのにも辟易し、不満を抱えて毎日を過ごしている。そして毎朝夜明け前に家を出てバラ農園に行き、恐ろしく単調な刺抜きの仕事をする。職場での親友・ブランカ(イェニー・パオラ・ヴェガ)だけが唯一の理解者だ。そんなマリアの生活が、些細な職場でのトラブルで仕事を辞めてしまうことで変わり始める。そしてそれに追い討ちをかけるように、新たな心配事が彼女を襲う。愛してもいないホアンの子を妊娠していたのだ。

CAST
ジョシュア・マーストン　監督・脚本

カタリーナ・サンディノ・モレノ （マリア）
イェニー・パオラ・ベガ （ブランカ）
ギリエド・ロペス （ルーシー）
ホン・アレックス・トロ （フランクリン）
パトリシア・ラエ （カルラ）

原題　MARIA FULL OF GRACE　上映時間　１０１分
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