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嗚呼,世にも恥ずかしい勘違い!? マンダレイ 2008 067
マンダレイ Review ドッグヴィルでの教訓がよっぽど活きたのかギャングの娘であることを自覚したのか,完全無抵抗平和主義は封印したグレース(ブライス・ダラス・ハワード)。【ドッグヴィル】での半奴隷から一転してマンダレイというアメリカ奴隷制度が廃止された後も旧態依然の黒人農園でリンカーンのように奴隷を解放させ自立させようと頼まれもしないのに,お人好し病が再発の予兆のもと,メシア兼指導者に出世。理想に舞い上がってますが,今回は最初から虎の威を刈るグレースなので住民も,戦々恐々。
そういえば,警察に追い回されて手配書が出回り賞金首にされた事実はマンダレイには,届いてないようです。
グレース役がニコール・キッドマンからブライス・ダラス・ハワードに変わり,かなり違和感も,【ドッグヴィル】での壁なしセットになれたように,途中から気にならなくなりました。ブライス・ダラス・ハワードは,【レディ・イン・ザ・ウォーター】にも出演してましたが,どこか神秘的な女優で頭巾を被れば天下一品。ニコール・キッドマンよりも,自ら欲情し裸体を晒したり,リアルな喘ぎ声とかR18指定になるほど体当たり演技ですが,前作のイメージを踏襲してないのが気になりますね。あの健気で心優しいグレースは,どこに行ったのか?辛辣で直線的な言葉には参りました。学習したんですね。これはこれと思えば問題ないですが。我が身を分け与えるほどに慈愛に満ちて神がかってたのに人に堕ちてしまったようで,ちとガッカリ。
住民との集会の席で決まった罪人の量刑に裁きが,復讐であってはならないと自ら執行を買って出るのですが,【ドッグヴィル】を観た今はグレースが,復讐の何たるかを語る資格は,微妙に思えます。自分と同じ轍を踏ませたくないんでしょうけど。
ラストは,これ見よがしに切り札を切ったグレースが,物の見事に返り討ち。お節介の成れの果てと恥ずかしい位にはめられてた現実に
ぶち切れ!極道の女舐めたらいかんぜよ
なんて感じで鞭をしならせ更に伝家の宝刀を繰り出そうとしますが,目も当てられない状況に爆笑!
結局は,権力無くしては何も出来ない マンダレイも存在してはならないって おいおいおいぉぃぉぃぉぃ~
やけくそで焼け野原,造成
それでいいのかグレース!!
理想だけでは,押し付けがましい偽善者で終わりです。あの逃げ足は,見事。
3部作の最後はワシントンだそうで期待してます!
私的評価Good STORY “ドッグヴィル”の町を焼き払った(「ドッグヴィル」のラスト)グレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、父親(ウィレム・デフォー)らと共に新たな居住地を求めてアメリカ南部にやってきた。辿り着いたのはマンダレイの大農園。そこは非人道的な奴隷制度が存続している場所だった。「白人として、黒人に対する責任をとらなくては」と考えたグレースは、奴隷たちに人権についての教育を施そうとする。しかし、被支配者の立場に慣れてしまった黒人たちにはなかなか受け容れられないものだった。そのうちに悪天候による飢饉がやってきて……。
CAST ラース・フォン・トリアー 監督・脚本
ブライス・ダラス・ハワード (グレース)
イザック・ド・バンコレ (ティモシー)
ダニー・グローヴァー (ウィレルム)
ウィレム・デフォー (グレースの父)
ジェレミー・デイヴィス (ニールス)
ローレン・バコール (女主人)
クロエ・セヴィニー (フィロメナ)
原題 MANDERLAY 上映時間 139分
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Date : 2008-05-02 (Fri)
Category : 映画 ドラマ