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持つ者の運命(さだめ)宿命を背負いし者の挽歌 スターリングラード 2008 065
スターリングラード Review スナイパーとは,戦士ではない狩人だ,殺気を隠し空気と同化・地形を友にし・時には,死体の山とも居場所を共有し,好機を一瞬たりとも逃さず一撃必殺に猛獣が獲物を狙うように灯火を断ち切らねばならない務め。
眼光鋭く,銃口ぶれずに,目標の眼を狙う。照準から見え隠れする屍と変わり行く者の人生。敵とはいえど同じ血の通った人間。されど撃ち抜かなくては,明日もない。一発の運命と生命を賭けた銃弾の重みが伝わります。
そんな精密機械のように繊細なスナイパーにも,小さい夢があり,ターニャ(レイチェル・ワイズ)に出逢い,心のオアシスを得る。
スナイパーだけに気配と空気を読み甘美な時間を作ります。この瞬間に生き残っていることを確かめる為に一時の安らぎと温もりを求めても赦されるだろう…
英雄を演出し続けるダニロフ(ジョセフ・ファインズ)一人の一兵卒に戻りたいヴァシリ(ジュード・ロウ)しかし,今や兵士の士気鼓舞の目的を通り越し希望の象徴。
高見に上がった英雄は,戻ることを許されない。ひたすら前に進むだけ,それが持つ者の宿命。
狙撃手ヴァシリ対狙撃手ケーニッヒ少佐(エド・ハリス) 互いの腕は,敵陣にまで名が知られるほど。
息詰まる沈黙の熱戦。姿は,見えずも絶えず探り合い交錯する視線。スコープ越しに垣間見感じ取る互いの力量は熟知している。勝負を決めるのは,事前情報と読み。互いに見知らぬ関係,顔形を見た瞬間には,銃弾は頭蓋を駆け抜け大地を死の床に変え静かな孤高の戦場に,一段と深い静寂を与えるだろう。引き金の重さは,命の重み
求める者は,息絶え耐え難い現実。絶え間なく流れる血液と戦況。
それでも,未来を銃弾に託し切り開いていくヴァシリ。
単なる悲劇の戦場での殺し合いに終わらず,逆説的に生きることの素晴らしさと勇気・命の尊さを与えてくれる映画を見てください。
私的評価Excellent STORY 1942年9月、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードは陥落寸前。凄まじい銃撃戦を生き延びた青年ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)は、羊飼いの家で射撃を仕込まれた名手だった。そんな彼は共産党の青年将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)と親しくなり、兵士の士気を高めるため英雄を求めていた友の要請で、スナイパーとしての任務を始める。次々とドイツ人士官を倒すヴァシリの活躍を、ダニロフは、発行する機関紙を通して大々的に報じていく。
CAST ジャン=ジャック・アノー 監督
ウィリアム・クレイグ 原作
ジャン=ジャック・アノー
アラン・ゴダール 脚本
ジュード・ロウ (ヴァシリ・ザイツェフ)
ジョセフ・ファインズ (ダニロフ)
レイチェル・ワイズ (ターニャ)
ボブ・ホスキンス (ニキータ・フルシチョフ)
ガブリエル・トムソン (サーシャ)
エド・ハリス (ケーニッヒ少佐)
原題 ENEMY AT THE GATES 上映時間 132分
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Date : 2008-04-29 (Tue)
Category : 映画 ドラマ