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男の色気と哀愁が満載 あるいは裏切りという名の犬 2008 068
あるいは裏切りという名の犬 Review フランス警察での実話を基に構成したノワール映画です。ハードボイルドな男の世界が,哀愁たっぷりに綴らてます。
昔は友人であり志しは,同じだったと思われるレオ(ダニエル・オートゥイユ)とドニ(ジェラール・ドバルデュー)が,今はレオの妻であるカミーユを巡る三角関係の末に対立。思いっきり仕事に持ち込んでるのが女々しくも感じます。カミーユの作品中でのドニを毛嫌いする態度から想像すると,当時から汚い手でカミーユに迫っていたのかも知れませんが,三角関係の詳細は回想や断片的なフラッシュバックが,あるわけでも無く現在中心に展開。足りない部分は,脳内補完の大人向け映画です。ただここの演出不足で2人の男が,友情を壊してまでこよなく愛したカミーユの魅力が,あまり伝わって来ないのが残念です。
レオは,決して真面目一辺倒ではなく正義の為なら必要悪も大事の前の小事といったスタイルで悪を刈り取る姿に好感。娼婦を殴って強盗を働いた男達への報復は悪ふざけし過ぎの感もありましたが,その後を見る限りにおいて,薬が足りなかったようです。本当に生き埋めした方が良かったのかも。
ドニは,薄汚い良くいる出世の為には,他を蹴散らす官僚的な考えで好きになりません。仕事振りも解決には,証拠を捏造,犠牲者も厭わないようなヤクザ顔負けのダーティーで必要悪の限界を超えてるのがレオと違い人望の無さに繋がってるようです。彼の周りに群がってるのは,やはり出世目的で直ぐに寝返りそうな蠅ばかりで同じ穴の狢と言えそう。
とはいえレオを密告した件自体は,仕事と私事共通のライバルを奈落に落とそうとした愚劣な行為もレオとドニの友情関係は,とうの昔に終わっているので,裏切りとまではいかないのでは?
許せないのは,カミーユが巻き込まれる事件に対する追跡の指示とその後の処理。全てをドニによって失い七年後に知ることになるレオの心情は計り知れないです。なまじ刑事だっただけに切ない。
ラストのレオは,娘に思わせぶりな会話も,本当の意味だったんだねと言いますか踏みとどまったんだろうけど,旅券は準備したんだろうし…
ドニとレオの人望の違いが,結果に現れ結末は良かったです。
仲間には,親切に上司とは戦えってことですか?
ジョージ・クルーニーとロバート・デ・ニーロでリメイクされるようですね。
私的評価Good STORY フランス、オルフェーブル河岸36番地にあるパリ警視庁に、二人の警視がいた。一人は仲間からの信頼厚く、正義を信じるレオ・ヴリングス。もう一人は権力志向の強い野心家のドニ・クラン。親友だった二人は、同じ女性を愛し奪い合った過去を持ち、今は次期長官の座を競うライバルとなっていた。市内で多発する現金輸送車強奪事件を巡り、交錯する男たちの思惑。ドニの裏切りで、レオはすべてを奪われ投獄される。7年後、再会した二人の運命はどこへ向かうのか…。
CAST オリヴィエ・マルシャル 監督
オリヴィエ・マルシャル
フランク・マンクーゾ
ジュリアン・ラプノー 脚本
ダニエル・オートゥイユ (レオ・ヴリンクス)
ジェラール・ドパルデュー (ドニ・クラン)
アンドレ・デュソリエ (ロベール・マンシーニ )
ヴァレリア・ゴリノ (カミーユ・ヴリンクス)
ロシュディ・ゼム (ユゴー・シリアン)
ダニエル・デュヴァル (エディ・ヴァランス)
ミレーヌ・ドモンジョ (マヌー・ベルリネール)
フランシス・ルノー (ティティ)
カトリーヌ・マルシャル (エヴ)
ソレーヌ・ビアシュ( ローラ11歳)
オーロル・オートゥイユ( ローラ17歳)
オリヴィエ・マルシャル (クリスト)
アラン・フィグラルツ (フランシス・オルン)
原題 36 QUAI DES ORFEVRES 上映時間 110分
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