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真実だけでは砂上の楼閣 シビル・アクション 2008 060
シビル・アクション Review ジョン・トラボルタ主演の実話ベースの法廷ムービー。
近年,最悪に近い環境になって,ようやく取り沙汰される事となった。工場排水などの公害問題。日本では,水俣病などで深刻な被害を受けた方は,たくさんいますが,シュリクマン弁護士(ジョン・トラボルタ)が挑むアメリカでの事例は,異常なまでに多発する白血病。
真実など法廷では,通用しないと痛感できます。綺麗事をどれだけ並べようとも,それだけでは机上の空論。大事なのは証明すること。証明出来なければ,最もらしいでっち上げに太刀打ち出来ないのが辛いですね。法廷における正義は,一般のそれとは,かけ離れた世界なのでしょうか。
法廷バトル盛んな国アメリカ,民事裁判では和解による短期決着が理想。そこに被告側を誘導し,いざなうのが,勝利への近道であり鉄則なんですね。金が無ければ泣き寝入り,敗訴すれば,経費すら戻らない以上,引き受けたからには後には引けないしビジネスです。もちろんスケールのでかいアメリカ,勝利した暁には破格の金額が舞い込むのだから,負け戦には関わらず取捨選択するのも許されるように思いましたね。
突如として,儲け優先の弁護士から,スタンスを変え被害遺族に親身になるジョン・トラボルタの経費省みず奮闘する姿に振り回される弁護士事務所の財務担当のジェームス(
ウィリアム・H・メイシー )に泣けます。忠誠心豊富で家まで抵当に入れ資金を捻出してるのに,知らぬとは,恐ろしい事でシュリクマン弁護士の心無い一言。メイシーの情けない風貌も手伝ってか,泣けます。最もメイシーは,泣くに泣けないんだろうけど。ズタボロで・・・
ラストは,法廷劇特有の大逆転を期待したのですが,実話ベースは,そう甘くない。全てが,巧くはいかないものですが,フィクションに無い潔さを感じさせますよ。
真実は,小説よりも奇なりといいますが,何もかも捨て去ってまで貫く行為は簡単に真似出来ない。長年積み上げた物がガラガラ崩れ去るのは,痛い。シュリクマン弁護士の,後日談は分かったのですが,彼の下を去った事務所のメンバーのその後も気になります。
私的評価ordinary STORY ボストン。4人のパートナーと法律事務所を経営する民事専門の敏腕弁護士のジョン・シュリクマン(ジョン・トラヴォルタ)は、ある日ラジオの法律相談番組に出演中、電話で大手化学会社による河川汚染事故の話を聞いて、住民側の弁護につき、厄介な裁判に乗り出す。医学的検査と科学的捜査のため260万ドルを自ら負担し、企業から多額の和解金をせしめる目論みだったが、相手側の弁護士ジェローム・フェイチャー(ロバート・デュヴァル)の術策にはまり、裁判に敗訴したばかりか、私財まで使い果たし、パートナーの信頼も失ってしまう。だが、絶望のなかでジョンは人としての信念を取り戻し、自らのプライドと正義を賭けて再び法廷に立つのだった。
CAST スティーヴン・ザイリアン 監督・脚本
ジョン・トラヴォルタ (ジョン・シュリクマン弁護士)
ロバート・デュヴァル (ジェローム)
トニー・シャルーブ (ケヴィン)
ウィリアム・H・メイシー (ジェームス)
ジェリコ・イヴァネク (ビル)
ブルース・ノリス (ウィリアム)
原題 A CIVIL ACTION 上映時間 115分
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