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箪笥 2008 026
箪笥 Review 単純明確な【リング】系ホラー映画だろうと思っていたら,非常に難解な謎解きが待ち構えていました。謎解きと言うよりも解釈が無限に存在すると考えた方が的確かと思いますが…
父親と継母の待つ実家に久し振りに美人姉妹が帰って来るシーンから,展開されるのですが,この時点で姉妹が継母と不仲なのは,分かりますが,父親まで継母に無関心過ぎるのに違和感を感じました。夕食時の会話もなく冷え切ってて感覚的に【
4人の食卓 】みたいで異様な雰囲気が気色悪さを演出してくれます。
それで,後半まで姉妹の姉スミと継母・父親との陰険で殺伐としたやりとりがエスカレート。その狭間に箪笥が独りでにギーッと開いて姉妹の死んだ母親とおぼしき霊が登場したりしますが緊迫感は,感じられませんでした。気味悪いですけど,怖さは薄めで襲われる訳でも無いので暗示か,スミと継母が必要に錠剤を飲んでいることから精神崩壊の予兆にも受け止められます。
しかし,あまりに淡々と流れるので切り返しに期待しましたが口火を切ったのは,父親の一言
スヨンは,既に死んでいるんだ。
これでこちらは,スミ視点で物語を見てるので,存在しない人物を最初から見てると言う事は,全てが精神錯乱化における幻想で大どんでん返しに持っていける訳ですね?この辺りが解釈に攻略本が必要な位に難解な映画に発展させてます。
ラストは,やはり精神崩壊者を持て余した家族が,離れる事を選び箪笥の霊が元凶に対し,この世の未練をあの世からぶちまけてエンドとなるわけですが,謎は全て解ける訳では無く心残りなので簡単に列挙。
①そもそも,継母は存在したのか?
後半のスミの姿や父親の電話の内容からすると,実在したのはラストの病院シーンだけ?だとすれば夕食は誰が作ったのかとか,エンディングで襲われるのもスミの自己完結とも取れます。
②どうして箪笥でなければいけなかったのか?
自殺者の切羽詰まった心理は,分かりますが,なにも箪笥で首を吊らなくても言いように思えますが,箪笥で無ければ倒れないからなんですね。押し入れでは,びくともしないですからね。ただ途中で挿入されていた袋叩きにされ袋から大量の血が床を浸食してる演出を観ると本当のスヨンの死因は,スミによる殺害で罪の意識を継母に被せる事で逃れていると取れなくも無いのですが~
③母の自殺の原因は?
これは,父親の現継母との不倫かと思いますが,家の中で公然と行われる物なのか疑問?
十人十色の解釈を楽しむ映画では無いでしょうか?
ただしジャケット写真の血だらけの姉妹の画像は,全く本編と関係ない所は,騙されました。
私的評価so-so STORY 父に連れられ、ソウル郊外の家に帰ってきたスミとスヨンの姉妹。若く美しい継母のウンジュが2人を迎えるが、笑顔の奥には冷たい表情が浮かぶ。姉のスミは異様なまでに妹スヨンを気遣い、ウンジュへの不信を顕わにした。その日から、家の中で奇妙な現象が起こり始める。姉妹を襲う悪夢、ウンジュの視界に映る不気味な影。不安から、継母と姉妹の関係はさらにこじれていく。恐怖が限界に達した時、スヨンの部屋の箪笥の中で、隠された家族の秘密が明らかになる。
CAST キム・ジウン 監督・脚本
イム・スジョン (スミ 姉)
ムン・グニョン (スヨン 妹)
ヨム・ジョンア (ウンジュ 継母)
キム・ガプス (ムヒョン 姉妹の父)
原題 薔花、紅蓮 上映時間 114分
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