スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 ２００８ ０２４

スウィーニー・トッド　フリート街の悪魔の理髪師

Review
思わず自分の頸動脈を確認したくなります。内なる狂気を演じる事が多かったジョニー・デップが，【スウィニー・トッド】では，外に滲み出る，ほとばしる様に狂気と血の華を咲かせます。血の色がとても深く綺麗，トッド【ジョニー・デップ】の銀製のカミソリが，酸化してないのは，妙ですが，カミソリを横一線で首筋を切り裂き頸動脈から，真紅の液体を解放する事の繰り返しなのですが，この見慣れてしまうと単調な作業に色を添えるのは，トッドの床屋の下の階層で，ネズミも喰わなそうなクソ不味いミートパイを売って生計を立てるミセス・ラベット。ヘレナ・ボナム＝カーターが怪しさと，妖艶さがハマっていましたが，ミートパイに必須の肉不足を解消すると同時に猫よりは，随分旨いらしい死肉で味がアップ，客がなだれ込む，お金が潤う，証拠隠滅，秘密の共有で唯ならぬ関係に発展と，WINWINの相互関係に。この一連の流れも一種の愛なのだろうか？覚悟が無ければ手は汚せ無いだろうし。

惜しいのは，大義名分が妻と娘を奪われた復讐と言うのは，ベタベタなりに正統派かと思えますが，中盤以降は，肉確保と殺しの練習台のみが動機と言うのは，捻りがない。殺しのバリエーションも全く同じで練習が必要なのかも疑問と言えなくもない。ミュージカル映画なので，細かい所は，気にしないのが暗黙の了解なのか。

ジョニー・デップのミュージカルシーンは，必見必聴です。他の出演者も全て歌いながらの演技見事でしたが，ラップ超有り，激しい曲調には，骨太の声が圧倒的な存在感を感じました。ミセス・ラベットとのエンディング曲は，秀逸。またミセス・ラベットの空想シーン，スウィニー・トッドが自分に酔ってるシーンなどで時折見え隠れするティム・バートンのエッセンスは，血生臭ささを緩和してくれます。

物語的には，ニアミス的な再会や嘘が招く関係の解消など，密かに悲しさをはらんでますが，結末はトッドが受け入れたかに思えました。

鑑賞後ミスドでフランクパイを食べました，ミートパイが食べたかったのに無いもので！

頚動脈は，常日頃重々防御しておきたいものです。

私的評価
Good

お帰りは，こちらから(-` )ノ

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STORY
19世紀、ロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカーは愛する妻と娘と共に幸せに暮らしていた。しかし、美しい妻に恋をしたターピン判事の陰謀で、バーカーは無実の罪を着せられ、投獄されてしまう。15年後、妻と娘を奪われたバーカーはスウィーニー・トッドと名前を変え、フリート街に戻って来た。理髪店を構え、パイ店の店主、ミセス・ラペットの協力を得て、ターピン判事への復讐を始める。

CAST
ティム・バートン　監督

スティーヴン・ソンドハイム
ヒュー・ウィーラー 　　　　　原作

ジョニー・デップ （スウィーニー・トッド）
ヘレナ・ボナム＝カーター （ミセス・ラベット）
アラン・リックマン （ターピン判事）
ティモシー・スポール （バムフォード）
サシャ・バロン・コーエン （ピレリ）
エド・サンダース （トビー）

原題　SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET　
上映時間　１１７分
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