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究極とは犠牲を伴うものなり パフューム ~ある人殺しの物語~ (2007年141発目)
パフューム ~ある人殺しの物語~ Review 18世紀のパリを舞台に後々、一大旋風を巻き起こす調香師となるジャン=バティスト・グルヌイユの生涯を描き出した映画です。もちろんフィクションです。実話だったら教科書ちも採用されそうな怪事件でありますから。
ただでさえ当時のパリは,不衛生極まらない環境なのに、中でも悪臭漂うおぞましい魚市場で魚の臓物にまみれ望まれずに出生。望まれないどころか母親は,そのままハラワタと一緒に遺棄しようと企むんですから,酷い話しです。出生直後から予期せず不幸のどん底にたたき落とされたグルヌイユですが,それと引き換えに遙か彼方の物体まで千里眼のように嗅ぎ分けられる超人的な嗅覚を得るのですが,生まれて初めて吸った空気が,最悪最低であったグルヌイユへの,せめてもの慈悲だったのかそれとも、生存本能の賜物とはいえ母を処刑台へと送ってしまった罪のようにも思えたりします。強すぎる能力を持ち合わせるのは,マイナスに働く場合も多々あります。
グルヌイユは,嗅覚以外にも関わるもの全てに彼と離れた後に不幸を呼び込み、深く知り合った者は,抹殺されるんですから驚きです。本人は,露知らずなのが罪なところです。グルヌイユには,自分を認識できる体臭がないように,あくまで誰の記憶にも残らないように仕向ける大いなる存在の意志を感じてしまいます。
絶対音感のように研ぎ澄まされ嗅ぎたくもない悪臭までも、感じとってしまう彼ですが,匂いに関しては全てに、おいてプラス志向,吸収し記憶せずにはいられない。匂い=生きがいってのも寂しい限りですが,様々な香りを嗅ぎとったグルヌイユが選ぶ究極の香りの素とは思春期の男性なら誰しも気になる甘くかぐわしい少女(多分処女限定なのでしょうけど成熟した娼婦もいたしね、恐らくただの実験対象か?)の体臭。まぁフェロモンなんでしょうけど,愛情を持ち合わせないグルヌイユも年頃の女性の色香に惹かれ魅せられる姿は,興味深いですがそれも度をこすと気持ち悪いかな。ストーカーどころか息の根を止めてますし。
それで、グルヌイユは,一世一代の奇特な仕事、究極の香水作りの源となるべく13人の少女からエッセンスを取り出すことに着手するのですが、
「君の体臭を分けてくれないか」なんて言える訳もないから 手段を選ばないのは,目に見えてますが,犯人を追い求める側も、よそもの・家族のない男なんてズバズバ言い当ててビックリ!? この時代でもプロファイリングがあったんですね! 最もそんな努力を嘲笑うかのように驚異的ペースで死体が転がり続けるんです。
それにしても映像が美しい暗がりの中での少女の赤毛が映えてましたし,究極の香水の核となる究極の美少女ローラ役のレイチェル・ハード=ウッドのバランス良く施されたカラーバランスは見事でした,もちろん彼女自身が容姿端麗でなければ成し得ない業では,ありますが。
ラストは,犠牲者の飼い猫の主人を想う気持ちにやられたかと思いきや前代未聞の大逆転劇!
材料が体臭だけに臭そうな雰囲気でしたが唖然呆然,凄すぎる効能ですね、究極の香水!!
究極の香水を染み込ませたハンカチをなびかせ民衆がひれ伏す姿は,水戸黄門の印籠以上の究極のウェポンと言えるかも♪ 始まりがあれば終わりもあるようで人生の幕引きとは人それぞれですが,我が身を与えるのも結構ですが,与えすぎですよ! よもやのゾンビオチ【バイオハザード2】と軽くかぶってましたね( ´・∀・`) 究極の香水で,我を忘れるひとときを過ごしたい人はクリック♪ 人気ブログランキングへ 私的評価Good STORY 18世紀、パリの魚市場で産み落とされたグルヌイユは驚異的な嗅覚を持っていた。青年に成長したある日、赤毛の少女が発する至福の香りに出会うが、夢中になるあまり彼女を殺してしまう。死と共に香りも消えてしまうことを知った彼は、香りを永遠にとどめておく方法を探るため調香師に弟子入りし、さらなる技を求めて職人の街グラースへ向かう。途中、自分自身に体臭がないことに気づき衝撃を受けるが、やがて運命の香りと再会する。
CAST トム・ティクヴァ 監督
パトリック・ジュースキント 原作
トム・ティクヴァ
アンドリュー・バーキン
ベルント・アイヒンガー 脚本
ベン・ウィショー (ジャン=バティスト・グルヌイユ)
ダスティン・ホフマン (ジュゼッペ・バルディーニ)
アラン・リックマン (リシ)
レイチェル・ハード=ウッド (ローラ )
原題 PERFUME: THE STORY OF A MURDERER 上映時間 147分
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Date : 2007-11-29 (Thu)
Category : 映画 サスペンス