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血に染まっても家族(感想・レビュー)ヒストリー・オブ・バイオレンス(2007年125発目)
ヒストリー・オブ・バイオレンス Review アカデミー助演男優賞にノミネートされたウィリアム・ハートが,出演しているバイオレンス映画ですが,主人公トム・ストールの兄役で,締めに登場するだけで,貫禄たっぷりとか,死にっぷりが豪快かつ爽やかだったわけでもなく彼の受賞は,意外でしたが,映画自体の内容は,良好でした。
のっけから,モーテルの宿泊料を、キャッシュの代わりに銃弾で支払いバイオレンスです。子供も容赦なく撃たれて惨劇,さすがに、子供の死体は,見せないですが地獄絵図でしょうね。モーテルを襲った犯人2人ですが,何事も無かったかの様に傍若無人で反省の色なし,もちろん罪悪感なんで無いでしょう。生まれもっての悪でしょうか?悪という自覚も持ち合わせていないのでしょうけど。そんな彼らが、資金が乏しくなり小金稼ぎに悪鬼の如くダイナーにて強盗を決行。経営者兼従業員として働く平和な一家の主、トム・ストールを襲うのですが,ここでなんと普通の男性に見えたトムが思いがけず強者で驚いた!残虐犯罪者が大活躍するバイオレンスかと思ったら足を刺されて入院するも、見せしめの凶弾が放たれる前に,一気に形勢逆転しスピーディーかつワイルドに強盗を削除。意外な展開でしたね。頭を脳天から口元まで、ぶち抜かれた悪の1人が,言葉にならない言葉を発しようと、被爆した被害者の様に,もはや原型を留めていない口を金魚の様にパクパクさせてる姿が印象的でした。ウィリアム・ハートが助演男優賞にノミネートされるなら,犯罪者役の彼でも良かったのでは?
一躍“時の人“に望みもせず押し出されたトムですが,彼には消去・隠滅できない大きな秘密が隠されていて,彼の存在を快く思えない連中が,平和な一家に圧力をかけジワジワと追い詰められ隠し持った牙を剥き出しにするのですが,妻のエディや妻の連れ子の息子が,トムを信じて支えて色んな意味で援護射撃。絆も強靭でした。トムが二度目の入院をするまでは…映画の主人公で短いスパンで二回も入院するのも意外でしたが,状況打破しスケールアップした悪党の蹴散らし方,カメラワーク凄い演出でした。
因縁の兄と拭い去れない過去と,蓋を出来ない罪に終止符を打つため男は,哀愁を漂わせ愛する一家を離れ最終決着に望みをかけるのですが,この映画の演出のテーマと思われる,スピード感とリアリティ溢れるアクションが物語を盛り上げました!
血を洗い流し,過去を再び消したトムは,崩壊した安らぎと癒しの空間に戻るのですが,そこは沈黙の食卓。重苦しく無言の謝罪を全身から発し、近くて遠いテーブルへと歩みよるトムに救いの手を差し伸べ空白の空間にトムの皿を並べた無邪気な娘が泣かせます。そして息子がローストビーフ,妻は,コーンを提供するのでしょうか?沈黙の中での雪解け表現は,見事でした。この家族ならば更なる苦境が訪れても回避・迎撃できるのでは無いでしょうか。
ジキルとハイドまでは,行かなくても変貌ぶりは,鮮烈! 息子にも,格闘の遺伝子がインストール?でも血の繋がりは,ないのです。 very good 映画ブログランキング<(_ _)> ☆映画・洋画 部門に登録中です☆ STORY アメリカ・インディアナ州の田舎町。小さなダイナーを経営するトム・ストールは、妻のエディや2人の子どもとともに、愛に満ちた幸せな日々を過ごしていた。そんなある夜、彼の店が2人組の強盗に襲われてしまう。そこで隙をついて強盗の銃を奪い取り2人を撃ち倒したトムは、一躍ヒーローとして扱われることに。しかしそのことがきっかけで、彼の過去が明らかとなっていく・・・・・・。
CAST デヴィッド・クローネンバーグ 監督
ジョシュ・オルソン 脚本
ヴィゴ・モーテンセン (トム・ストール)
マリア・ベロ (エディ・ストール)
エド・ハリス (カール・フォガティ)
ウィリアム・ハート (リッチー・キューザック)
アシュトン・ホームズ (ジャック・ストール)
ハイディ・ヘイズ (サラ・ストール)
ピーター・マクニール (サム・カーニー保安官)
スティーヴン・マクハティ (レランド)
グレッグ・ブリック (ビリー)
原題 A HISTORY OF VIOLENCE 上映時間96分
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