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死んでからしたい10のこと(感想・レビュー)リプレイ(2007年80発目)
リプレイ Review 人は,死の瞬間に走馬灯のように人生における出来事が流れると聞きますが,その瞬間に途方もない悔恨や自責の念を残したとしたら,その魂は何処に流れ落ちるのか?贖罪の迷宮には出口があるのかがテーマの映画でしょうか?
あらゆる登場人物が存在するのかしないのか精神と時間軸と意識が混在して、混同させるパズル式のタイムサスペンスでした。似たタイプは,山ほどあるのですがこの映画は,完全に良いとこ取りでした。特色として時間軸を『21グラム』のように小刻みにずらしながら2000年から2002年を行ったり来たりを繰り返すのですが、その手段がとてもシームレスでドアを開けた途端とか、ある場所に行ったら画像効果もなしにタイムスリップするので,最初の2、3回は,驚かされます。そして原作が戯曲の為か台詞のテキスト量も半端な数ではないし登場人物がバシバシ入れ替わるので混乱は必至です。最初戸惑ったのは,アンナ(パイパー・ベラーボ)とクレア(サラ・リー)が同一人物に思えてしまってクレアが部屋から出ていったのをサイモン(ライアン・フィリップ)がすぐさま追いかけたら髪型・服装が違うアンナが親しげに話しかけてきて混乱状態に。普通なら髪型・服装が違えばすぐ気付くのですが,どんな事象が起きても不思議ではないタイムサスペンスなので時間が戻ったか進んだかどちらかだと思ってたら中盤でやっと別人であることに気付きましたよ。しかし
クレアの名前が判明するのが中盤なので仕方ないと言うことにしておこう。
ストーリー的には,序盤サイモンが記憶喪失の状態で始まるので,こちらも手探りで情報を読み取り緊迫感を感じるのですが,パズルのピースが埋まる度に何故だかつまらなくなってしまいました。サイモンの失われた記憶がメインなので,記憶を吹き飛ばすほどの奥行きが感じられませんでしたし,実在の記憶と空虚な妄想の境界線が不明瞭なので,過去で傷つけた相手が現実でも傷ついているものの,それさえも妄想という理解に苦しむ構図で一言でいえば妄想を通り越した空想世界なのでサイモンの思考により良くも悪くも変わってしまう,この辺は『バニラスカイ』の設定に似てますね。ラストは,唐突感で一杯になります。ただタイムサスペンスを見慣れた人なら充分に一発理解可能かと思います。キャスティングは,ネームバリューよりも能力が高い人が多いし魅力的で配役もはまってるようでした。若干尺不足なのが残念でしたね。
★見所・疑問点★ 幻想の中に僅かに見え隠れする、物語の真実に直結するシーンを見抜くのが見所でしょうか?
ピーター,サイモン,クレア、3人がそれぞれ何事もなく終わる未来の可能性は,あるのでしょうか?ピーターの体には,ガラス片が付着して怪しまれそうですが?
ordinary 映画ブログランキング<(_ _)> ☆映画・洋画 部門に登録中です☆ STORY 一人の男が病院に緊急で運ばれてくるが、医師の懸命の蘇生術により、2分間の心拍停止から奇跡的に生還した。男の名はサイモン・ケーブル(ライアン・フィリップ)。目醒めた彼は、担当の医師ニューマン(スティーヴン・レイ)の質問に答えられず、過去2年間の記憶を失っていることを知る。今が2002年であることも、妻アンナの存在も全くわからない。そこへ金髪の女・クレアが現れ、サイモンの無事を安堵するが、記憶喪失の彼にショックを受けて立ち去ってしまう。ニューマン医師に「アンナはどこへ行ったのだ」と尋ねるサイモン。だが、そんな彼の前に黒髪の女が現れる。彼女が妻アンナだと知らされ、更に混乱するサイモン。ではさっきの女は一体誰なのか?
CAST ローランド・ズゾ・リヒター 監督
マイケル・クーニー 原作・脚本
ライアン・フィリップ (サイモン・ケーブル)
スティーヴン・レイ (ニューマン医師)
ロバート・ショーン・レナード (ピーター・ケーブル)
スティーヴン・ラング (トラビット)
ピーター・イーガン (トルーマン医師)
パイパー・ペラーボ (アンナ)
サラ・ポーリー (クレア)
スティーヴン・グラハム (トラヴィス)
原題THE I INSIDE 上映時間92分
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Date : 2007-07-10 (Tue)
Category : 映画 サスペンス