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(感想・レビュー)ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2007年66発目)
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル Review 社会派ドラマながらサスペンスの要素も一級品で犯人が読めない展開に唸らされましたよ!アラン・パーマーに感服しました。アメリカにおける死刑の是非がテーマなんですけど、どちらとも言い難いどちらにも問題がありますからね。遺族の視点で見ると家族や知人・恋人を殺されたりしたら目には目を的な観点で自らの手で報復出来ない現在の社会制度から死刑という擬似的な復讐を望みたい気持ちも分かります。日本でも被告の死刑を願い何年間も法廷での拳を振るわない闘争を続けている人達がマスコミや紙面を賑わす事が度々ありますが,裁判に勝って死刑を勝ち取ったとして血の復讐を果たしたとしても,その瞬間に虚しさと自分の人生の時間的浪費を痛切に感じるだろうし、人間が人間を裁くのは,問題視されているのは,永きに渡って議論百出されている事例ですからね,恐らくこれからも答えは出ないでしょう。だからと言って死刑を廃止、終身刑を最高刑にすれば、国内外を問わずエスカレートする凶悪犯罪を誘発しかねない状況だけに難しいのですが,この映画では,レイプ殺人と言う自らにも家族にも最大級の汚点と社会的制裁を受けている受刑者でありますが冤罪の可能性があるデビットが元大学教授の明晰な頭脳と手駒に選んだビッツィーを駆使して死刑執行数日前に再審請求と,その先にある自由を得る為に、獄中から奮闘する姿をサスペンス風に仕立て上げて重さを感じさせない作りになっているのがさすがです。ビッツイーとのインタビュー形式で晒されるデビットの犯罪に至る経緯も説得力があり好感が持てるのがアラン・パーマーの腕でしょうか?アラン・パーマー自身は,死刑反対派でストーリー上では,均衡を保ったとコメントしていましたが僕の観た感じでは,監督の代弁者と監督本人が語る反対派のコンスタンスの演説と(復讐は,社会的冷静さを失うは,納得)と,友人デビット・ゲイルを全面に押し出し更に驚天動地のラストを演出する事によって6:4位の比率で反対派に傾けて制作されているように思えました。とにかく映画のコピーでもある【あたたはこの結末に納得できますか…】ってフレーズを自分の目で確かめてみては如何でしょうか?
★見所・疑問点★ ケヴィン・スペイシーもケイト・ウインスレットも、突っ込みようがない演技ですが,それ以上にローラ・リニーの熱演が普通じゃないですね。ここまでやるかと思わせる迫真の演技でした。
ラストで現金と共に届けられた生徒からの手紙は,謝罪とレッテルを剥ぐ為の物なのでしょうか?
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STORY 元大学教授デビッド・ゲイル(ケビン・スペイシー)に、死刑判決が下される。罪状は、元同僚の女性をレイプした上、殺害。皮肉なことにゲイルは、死刑廃止論者であった。彼は処刑までの3日間、高額で契約された自分の手記を綴るために女性記者ビッツィー(ケイト・ウィンスレット)を呼び寄せる。そして語られるゲイルの人生。妻子に逃げられ、酒に溺れたこと。逆恨みした女子生徒に陥れられ、大学を追放されたこと。そんな自分に救いの手を差し伸べてくれたのが、事件の被害者だったこと。話を聞くうちビッツィーは、ゲイルは冤罪ではないか、と疑問を抱きはじめる……。
CAST アラン・パーカー 監督
チャールズ・ランドルフ 脚本
ケヴィン・スペイシー (デビッド・ゲイル)
ケイト・ウィンスレット (ビッツィー)
ローラ・リニー (コンスタンス)
原題THE LIFE OF DAVID GALE 上映時間131分
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Date : 2007-06-03 (Sun)
Category : 映画 サスペンス