273
(感想・レビュー)ブラッドシンプル ザ・スリラー(2007年45発目)
ブラッドシンプル ザ・スリラー 不条理殺人,それこそが現実
STORY アメリカ南部。テキサスの片田舎で酒場を経営するマーティ(ダン・ヘダヤ)は、短気でケチで、従業員には嫌われていた。若い妻アビー(フランセス・マクドーマンド)は、そんな夫に満足するはずもなく、従業員レイ(ジョン・ゲッツ)を誘惑するのは、自然な成り行きだった。ある日、マーティは、うだつのあがらない私立探偵(M・エメット・ウォルシュ)の訪問を受け、アビーとレイの事を聞かされる。
CAST ジョエル・コーエン 監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン 脚本
ジョン・ゲッツ (レイ)
フランシス・マクドーマンド (アビー)
ダン・ヘダヤ (マーティ)
M・エメット・ウォルシュ (私立探偵)
Review コーエン兄弟初期の名作『ブラッドシンプルザスリラー』を観た!
本当にシンプルで無駄なセリフや状況説明がない映画です。それだけに現実的なスリラーだと思います。『ファーゴ』のように殺人事件であってもどこか温かみがある作品が好みの方は,『ブラッドシンプル・ザスリラー』の拳銃のように冷たい感覚は,合わないかも知れません。僕は,どちらかと言うと『ファーゴ』派です。でもリアルも好き。どっちなんだか(笑)
この作品は,ジョエル・コーエン監督とフランシス・マクドーナンドの処女作で2人は,この作品が縁で結婚したそうです。世の中どこでどんな人と繋がるか分かりませんね。あなたの隣家に住む、1人暮らしで,酒臭さと,おやじ臭全開の汚いおっさんが、実はあなたの未来の彼氏の父親だったなんてオチがあるかも知れないので人付き合いには石橋を叩き割るようなことはしちゃなんないってことでしょうか?慎重に叩かないとね。だからと言って堅苦しいだけなのも困りものですけど。そんなわけでバーの店長のマーティのbatな繋がりは,やはり身近な人物でした。最愛の妻アビーが従業員のレイを誘惑して、その不倫関係が金儲け主義の私立探偵によって速攻でばれて、嫉妬に狂う夫がとちくるって~…不倫系サスペンスの定番みたいなストーリーですが,この映画のテーマと思われる人間の持つ勘違いという要素によってスリリングな展開を中盤以降見せてくれます。マーティが2人に憎悪の念を燃やし過ぎたことで、そのエネルギーが自らに降り注ぎ私立探偵に10000$目当てで,飼い犬に手を噛まれズドンと撃たれるんですが,そこで死んでなかったことで、私立探偵→レイ→アビー→の間に奇妙なトライアングルが形成されます。ただしレイとアビーは,私立探偵のことは知らないので、私立探偵を頂点としたピラミッドと言った関係でしょうか。私立探偵は,レイにマーティ銃撃時に犯行現場に忘れてきたライターを握られてると勘違いしてて、レイとアビーは,マーティの殺害においてお互いに勘違いして疑念を抱いたりと,協力しあえば2人には,存在が見えない私立探偵に対抗出来るものを勝手に自爆するものですから、結果は最悪な方向に動いていくのもやむを得ないってことで。
謎解きの部分は,全てこちらに見えてしまっているので,人間関係や人物像を動機や感情のもつれをひっくるめて楽しむサスペンスだと思うのですが,登場人物が全て好きになれず気分が乗り切れずに終わってしまった感じです。夜のシーンが多く画面が暗かったのも気になりましたが低予算映画としては,世間に認められた作品なんだと理解出来ました。
★見所・疑問点★ ラストのアビーと私立探偵の顔を合わせない対決が見ものです。アビーは,なんと最後まで相手は,夫のマーティだと勘違いしてるのですから驚きです。ての甲にナイフを突き立てくし刺しにするとはやるもんです!
何故、畑に死体を隠すのかが疑問です。間違いなく掘り起こされると思うのですが?
ordinary 映画ブログランキング<(_ _)> ☆映画・俳優 部門に登録中です☆
INDEXメニューINDEXは、こちら
関連記事
スポンサーサイト
Date : 2007-04-14 (Sat)
Category : 映画 サスペンス